京都大学 大学院情報学研究科
システム科学専攻 情報システム分野
Information Systems Group
Department of Systems Science, Graduate School of Informatics, Kyoto University
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不確実な事象を確かに理解する
〜 情報・サービスシステムにおける最適な意思決定をめざして 〜

不特定多数の利用者の競合により不確実性を伴う情報・サービスシステムにおいて、
「最適な」意思決定を行うための方法論について研究しています。


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研究内容

情報・サービスシステムの確率モデリングと性能解析
インターネット、携帯電話、クラウドサービス、コールセンタ、空港、病院、大型商業施設など、不特定多数の利用者に開かれた情報・サービスシステムにおいては、利用者が限りあるサービス資源を求めて競合し、「混雑現象」が発生します。そうした混雑現象は「待ち行列」とよばれる確率モデルで表現できますが、従来の待ち行列研究では、利用者およびサービス提供者の「戦略」を意識しないモデルが解析の中心でした。しかし、現実のシステムでは、利用者およびサービス提供者の双方が、何らかの戦略を持って意思決定を行っています。当分野では、そうした「戦略」を取り込んだ新しいモデル「戦略的待ち行列」に加え、従来型の未解決な待ち行列モデルや、その解析の基礎となるマルコフ連鎖に関する研究を行っています。

計算確率論 (Computational Probability Theory) に関する研究
確率モデルとして表現された情報・サービスシステムに対する性能評価手法は、(1) 確率論などによる数学的な解析、(2) アルゴリズムによる数値計算、(3) モンテカルロ・シミュレーションの3つに分類することができます。一つ目の数学的な解析によって、扱いやすい公式を導出するのが理想的ですが、一般なモデルを対象としたとき、これは容易なことではありません。したがって、計算機を用いた第二、第三の手法が情報・サービスシステムの性能評価において中心的な役割を果たします。そのため、当分野では最も重要な確率モデルの一つであるマルコフ連鎖の定常分布および関連する特徴量の数値計算法や、マルコフ連鎖を用いたモンテカルロ ・シミュレーション法の開発などに取り組んでいます。

組合せ最適化問題の近似解法に対する計算停止基準と性能評価手法の開発*
大規模な組合せ最適化問題を解く際には、局所探索法や欲張り法といった,現実的な時間で「質の良い解」を生み出す近似解法がよく用いられます。一般に、近似解法は計算時間をかければかけるほど、「質の良い解」を生み出す可能性が高まりますが、暫定解の質評価に関する統一的な方法論がないため、近似解法の計算停止判断および性能評価は容易ではありません。そこで、代表的なNP困難問題である巡回セールスマン問題を対象とし、比較的実装の容易な「ランダム多スタート局所探索法」の計算停止基準および性能評価基準を確立すべく、主として極値統計学を道具に研究を行っています。
*この研究課題は関西大学の檀寛成先生との共同研究です。